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「Google I/O 2010」、5月20日キーノート速報

米Googleは20日午前、サンフランシスコで開催中の開発者向けイベント、「Google I/O 2010」で2回目のキーノートを行った。初日である19日のキーノートではHTML5に関する発表が行われたが、2日目はAndroid 2.2(Froyo)とGoogle TVがお披露目された。

初日の時点でGoogleのエンジニアリング担当バイスプレジデント、Vic Gundotra氏から2日目はサプライズがあると予告されていたが、この日のキーノートは前日以上に盛り上がりを見せた。

ここではキーノートの模様を流れのままお伝えしたい。リアルタイム速報でお伝えした記事を加筆修正したものになる。

現地時間8時35分にスタート。前日に引き続き、エンジニアリング担当バイスプレジデントのVic Gundotra氏が登壇。前日のキーノートのYouTubeでの生中継動画は24,000人が視聴したと語り、感謝しているという。彼は話始めにAndroid社の共同創業者であり、現在はGoogleでエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるAndy Rubin氏との会話を紹介する。Gundotra氏は当初、新しいモバイルOSの必要性に疑問を感じていたという。その質問をRubin氏にぶつけると、彼は主に2つの理由を返した。1つ目は端末メーカーが自由に望みどおりの商品を作り上げるためには、フリーのOSの存在が不可欠であること。2つ目は一人の人間、一つのキャリア、一つの端末に支配される世界は望ましくないこと。2つ目の理由は明らかに米AppleのCEO、スティーブ・ジョブス氏とiPhoneを指している。


彼は、現在ではAndroidはユーザーの皆様のおかげで非常に好調な立ち上がりを見せたと語る。今では21のOEMメーカー、48の国、59のキャリアでAndroid端末は展開されている。また、1日当り10万の新規アクティベーションがあるようだ。昨年は1日当り30,000台、今年2月は60,000台を売っていた状況が、今では10万にまで伸びている。さらにAndroid端末の種類はすでに60を超えている。


また、Google Maps Navigationの総ナビゲートマイル数は10億マイルを超えた。Android Marketに登録されているアプリ数は5万を超えている。


ここで「Android 2.2」(コードネーム:Froyo)を発表。Froyoはジャストインタイムの「JITコンパイラ」(Just-In-Time Compiler)を導入することでアプリの動作が2倍から5倍程度高速化される。実際に比較デモを披露する。デモはEclairとFroyo。Froyoではフレームレートが全く落ちずに軽快な動作。さらに、Froyoでは20に及ぶEnterpriseに関する新機能が搭載される。



その他、新機能として「Application Data Backup API」、「Cloud-to-Device Messaging API」が目玉として提供される。また、噂通りUSBテザリングとWi-Fiホットスポット機能も導入されることが発表された。

アプリのデータバックアップAPIは、Android端末を変更しても同じデータを利用することができるというもの。Messaging APIはPCからでもIntentを通知できる機能だ。PCからIntentを送り、Android端末側のアプリを作動させることが可能になる。例えば、PCのChromeブラウザからGeolocationデータを送り、Android端末側でそれを受け取り、Google Maps Navigationを起動するようなことができる。このようにPC側からAndroid端末をある程度扱うことが可能になるようだ。

テザリングに関しては実際に「Nexus One」にFroyoを導入し、iPadを接続するデモが披露された。



次にウェブブラウザの革新について説明。「V8 for Android」エンジンを導入することで、Javascriptの動作が2倍から3倍程度高速化される。実際にFroyo、Eclair、iPadで比較のデモを披露。あとからスタートさせたFroyoがiPadの速度を抜くパフォーマンス。圧倒的に速い。Froyoは世界一速いモバイルブラウザだとアピールしている。


次に端末のコンパス機能を利用してウェブブラウザ上のGoogle Mapsが回転するデモが披露された。90度の回転ではなく、もっと細かい角度でヌルヌル追随する。続けて音声入力のデモも紹介された。とても精度が高い。"pictures of barack obama with french president of the g8 summit"という長いフレーズがしっかりと認識されている。音声入力による操作は電話を掛ける際にも利用できる。"call~"としゃべれば、「~」の部分で指定した相手に電話が発信される。改善された音声入力は日本語にも対応する予定。また、ブラウザからはカメラにアクセスすることもできる。先のGoogle Mapsのコンパス利用も、カメラ利用も、どちらもHTML5の技術が使われている。カメラについては具体的にはブラウザからGoogle Buzzで写真をアップすることもできる。



さらに、音声入力と「Google Translate」をコラボレーションした音声翻訳機能が紹介される。翻訳された文章は「Text-to-Speech」機能で機械音声で読み上げてくれる。例えば英語で音声入力した文章、言葉が端末でフランス語に翻訳され、音声で聞くことができる。

そしてここでAdobeの「Flash Player 10.1」と「AIR」の紹介が始まる。

とりあえずFlashは10.1のパブリックベータ、AIRはデベロッパー・プレリリース版をサポートする。Flashの正式版は6月にリリースされる予定。実際にFlashゲームのデモが披露される。軽快に動いている。Adobeには大変感謝していると語っている。さらに、すでに何度も引き合いに出されているが、再びiPadに触れる。iPadだとこういう風にFlashを楽しむことはできないと語っている。


次にアプリの管理について革新がある模様。アプリの検索機能、アプリのSDカードへの移動、自動アップデート機能などが盛り込まれる。試しにSDカードに移動したゲーム、ニードフォースピードのデモを披露する。軽快だ。SDカードからのアプリ利用は実使用上、全く問題ないようだ。また、アプリの検索がとても便利になった。検索窓からアプリを簡単に検索することができる。



そして、アプリの自動アップデート機能の発表には拍手喝さいが上がる。さらに、開発者にとって喜ばしい機能として、アプリのバグレポート通知機能が導入される。Android MarketでアプリのStackTraceをチェックできるようになるという。


次にPC版のAndroid Marketのリニューアルと新機能についての紹介。PCのAndroid MarketからAndroid端末に対して直接アプリをインストールさせることができるデモが披露される。PC版のAndroid Marketでアプリをインストールしようとすると、Android端末側で自動的にインストールが開始される。これは先ほどのMessaging APIが利用されている。アプリだけでなく楽曲ファイルもPCから直接送り込むことができる。また、DRM無しのファイルならばiTunesの曲なども含めて、PC上のライブラリファイルをAndroid端末側でストリーミング再生することができる。



次に広告サービスについての紹介が始まる。柔軟な広告フォーマットを利用できるようだ。


広告の革新だという。アプリ内広告を様々な形で表示させることができる。場所、形状、サイズの他、アプリ内でのアクションによって広告を柔軟に変化、移動させることもできる。また、フルスクリーン広告を表示させることも可能。さらに広告からマップを表示させたり、電話を掛けられたり、動画を視聴させたりすることもできるようになる。




ここでAndroid 2.2の紹介の締めとして、参加者全員に「HTC EVO 4G」がプレゼントされることが発表される。拍手喝さい、参加者大喜び、大盛り上がり。


Android 2.2の話題はここまで。次は「Google TV」の発表。Rishi Chandra氏にバトンタッチ。

TV市場の現状の説明から始まる。TV市場がいかに大きいかアピールしている。彼は、誰だって皆テレビが大好きだと語る。米国ではテレビは未だに一日当り5時間は視聴されているという。テレビ市場は年間で700億ドル稼いでおり、今でも強力なメディアの一つだと主張。しかも、全世界規模では40億の人々がテレビを見ている。これほど大きな市場を持つ端末は他にはないと指摘。

そしてテレビの素晴らしさは市場の大きさだけに留まらない。

テレビはとても素晴らしい体験を与えてくれる端末で、何もしなくても向こうから勝手にいろいろなことを教えてくれる。それにPCは大勢で楽しむことはできないけど、テレビは違う。皆で一緒に楽しむことができる。ただし、問題もある。テレビの技術はこれまでに革新が行われてこなかった。テレビとウェブ。これからの時代のエンターテインメントはウェブからやってくる。しかし、従来のテレビではウェブを上手く扱うことができない。テレビ向けに最適化されていないからだ。その上、アプリも動かない。加えてテレビのデバイスの世界はクローズだ。

しかし、人々にテレビとウェブのどちらを取るか聞いてみたらどうなるだろうか。

おそらく彼らはテレビを取る。

だからこそ我々はウェブとテレビを融合しようと考えた。

それが「Google TV」だ。という流れの紹介が行われる。




早速デモを開始する。Google TVはデバイスに最適化されたコントローラを使うことで番組、情報コンテンツへスムースにアクセスすることができる。番組表から瞬時に視聴に移行することもできるし、番組表の検索は非常に軽快だ。まるでウェブを閲覧しているときと同じような感覚で利用できる。


また、Googleはウェブで検索機能を提供しているように、Google TVでも検索機能を提供する。画面に表示される検索窓を使って、テレビチャンネル、ウェブの双方を検索することができる。また、将来予定されている番組の予約を行うことも検索結果から簡単にできる。ウェブ上の動画コンテンツもまるで普通のテレビを見ているかのように視聴することができる。


ウェブと融合したテレビだけあり、Amazonにアクセスし、Amazon Videoを直接視聴することもできる。他にもHulu、Fox、NetFlixなど複数のサービスに直接アクセスすることができる。NetFlixのお勧め動画も利用、視聴できるし、もちろんYouTubeも利用できる。検索機能はこれらのサービスを全て横断して行われる。例えば「HOUSE」で検索してみればエピソードが視聴できる動画のリストがずらりと表示される。同じエピソードでもFoxやAmazonなど複数のサービスから選んで視聴することができる。




そして、テレビ番組画面とウェブブラウザ画面はレイヤのように重ね合わせて表示することもできる。例えばスポーツの試合を観戦しながらウェブで情報をチェックするなど、という使い方が同時に可能。また、ブックマーク機能も搭載されている。ブックマークはウェブサイトだけでなく、チャンネルなどに対しても可能になっている。もちろんウェブが使えるのだから、Flickrなどの写真も簡単に閲覧できる。写真ビューアになるし、Facebookのゲームなんかも使えるし、ショッピングだってできる。Pandoraも利用できる。Google TVにおける情報はパーソナライズできるので、それに基づいたサジェスト(お勧め機能)も働く。例えばセサミストリートは1,000以上のコンテンツがあるが、それを自分向け、子供向けに別々のプレイリストに作り分けることも可能だという。


次にGoogle TVのハードウェアが備える特徴、コントロール方法についての紹介が始まる。ここまでのデモから想像できるように、Google TVはブロードバンドネットワーク、HDMIによる既存のデバイスとの接続、強力なCPUなどを備える。入力方法にはキーボード、ポインティングデバイスの他にAndroidスマートフォンなどの端末も利用することができる。Android端末を持っていれば、それをリモコンとして使うことができる。接続はWi-Fiを介して行う。また、キーボードが面倒な方は音声入力が便利だという。入力機器は複数を同時接続することも可能。


次にGoogle TVのシステム周りの紹介。搭載OSはAndroid 2.1。ブラウザはChrome、Flash Player 10.1も入っている。OSはアップデートに対応している為、機能を強化していくことができる。また、Android Marketも当然利用できるし、アプリも大部分が動く。ブラウザからAndroid Marketにアクセスし、無料/有料アプリをインストールすることが可能。例えばPandoraのラジオアプリだって動く。デモが紹介される。Android Marketからのプッシュ機能を利用してインストールしているようだ。テレビのデバイスに対してアプリを送り込んでいる模様。そして、Google TVではAndroidアプリだけではなく、ウェブアプリを利用することもできる。



次にコンテンツ、アプリのデベロッパーに対する話に移る。SDKは商品が出荷されるまでは利用できない模様。既存のウェブサイトやアプリの多くはGoogle TVでそのまま利用することも可能だが、GoogleとしてはGoogle TV向けにコンテンツを最適化することをお勧めするということだ。最適化する、もしくは新しくGoogle TV向けコンテンツを作り出すことで、リビングルームに全く新しい体験を生み出すことができるからだという。Googleは最適化を助けるガイド資料・情報も提供していく方針。

なお、Google  TVは今秋発売予定。米国内のBest Buy各店で販売される。

次にGoogle TVに最適化されたコンテンツが実際に紹介される。NBA.comはGoogle TV用に最適化したサイトをすでに開発中で、そのデモが披露される。アプリを通して試合を録画することもできる。


次はGoogle Listenの話。Brittany Bohnet氏にバトンタッチ。動画、音声などのPodcastを利用することができるという。また、購読しているコンテンツをどの端末に配信するかのコントロールまで行うことができるようだ。



Google Translateとオートキャプション機能のコンビネーションも導入されている。YouTubeにはすでにオートキャプション機能が導入されており、一部の動画では字幕を表示させることができるが、これを上手く利用したようだ。Google Translateと組み合わせることで、自動的に他言語に翻訳した字幕を画面上に表示させることができるという。

紹介の締め。

GoogleはGoogle TVで従来のテレビを全く異なるデバイスに革新させる。携帯電話のスマートさ、高い操作性や機能を併せ持つデバイスに生まれ変わらせる。そしてGoogle TVの重要なポイントは、オープンだということ。SDKはGoogle TV発売後の2011年初頭にリリース予定。オープンソース化は2011年夏の予定。



Google TVの開発に関わる企業はSony、Intel、Logitech。
発売時期は今秋。Best Buyは販売を手がける。



最後にGoogle CEO、Eric Schmidt氏が登壇。関連企業のCEOを紹介し、トークセッション。


以上で終了。

速報ページの加筆修正終了。

Google TVの公式サイト、紹介ビデオが公開された。

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