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「Google I/O 2010」、5月19日キーノート速報

米Googleは19日、サンフランシスコで開発者向けイベント「Google I/O 2010」を開催した。イベントは19日、20日の2日間にわたって実施され、数多くの興味深いセッションが予定されている。また、両日とも現地時間午前中に1時間半ずつのキーノートが行われる。

キーノートでは初日、2日目ともに何らかの大きな発表があるのではないか、との噂だ。特に注目のテーマはAndroid OS 2.2(Froyo)とSmart TVだ。または、HTML5に関する発表との話もある。いずれにしても楽しみなイベントとなる。

ここではその初日キーノートの速報をお伝えしたい。

ページは随時内容を更新していく形をとるため、数分置きにでもリロードして頂ければ、と思う。

なお、時間表記は現地時間。ただし、若干アバウトで正確ではないので単なる目安として欲しい。

9:00
スタート。エンジニアリング担当バイスプレジデントのVic Gundotra氏が登壇。この日のキーノートの内容はHTML5が中心になる気配が冒頭から漂う。しかし、Gundotra氏は、翌日のキーノートでは何らかのサプライズがあるから楽しみにして欲しい、と語っている。Android 2.2かもしれない。彼は、今年の後半には主要ブラウザ全てがHTML5に対応するようになると述べている。ただし、マイクロソフトのInternet Explorerは対応レベルが微妙だと指摘。


9:07
Googleの製品管理担当バイスプレジデント、Sundar Pichai氏にバトンタッチ。最近のHTML5に関する盛り上がりについて紹介。Googleの取り組みについてもアピール。彼は、多くのユーザーが現代ではテレビやその他の娯楽ではなく、インターネットにプライベート時間の多くを費やすようになっていると語る。その為、HTML5はウェブ体験を革新する上で非常に重要な役割を担う、という。HTML5による革新の例として、Gmailの機能拡張を紹介する。Gmailはファイルを添付する際に、ドラッグアンドドロップでできるように改善された。まさに「アプリケーション」的進化といっていいだろう。その他、Notification機能についても同様に紹介。


9:16
米ClickerのCEO、Jim Lanzons氏が登壇。この15分近くの内容はHTML5が中心だ。Lanzons氏の前にはmugtug.comの紹介もあった。ここまでの流れからは、この後も各社、もしくはGoogleにおけるHTML5を利用した技術やサービスが紹介されそうな気配だ。


Clicker.comは動画のディレクトリサービスサイト。HTML5の技術が導入されることで素晴らしい操作性、検索性を誇るという。彼は「もしもあなたが、LOSTの最新話を見逃しても大丈夫! Clickerでは簡単にお目当ての動画を見つけることができる。リストをスクロールし、また、ジャンル別に探したり、スムースにアクセスすることができる。これはHTML5によって実現されている」と語っている。

9:23
Mozillaのエンジニアリング担当バイスプレジデントであるMike Shaver氏が登壇。HTML5とWebMを使った技術を紹介。また、ビデオコーデックであるVP8のオープンソース化が発表される。フリーで利用できるという。WebMのサイトはこちらWebMが導入されたFirefox(テスト版)もリリースされている。WebMはオープンなビデオ規格でありコンテナ規格だという。先ほどのVP8コーデック、音声コーデックにOgg Vorbisを採用。MatroskaをベースにしたコンテナとしてWebMという規格になる。WebM動画はとにかく軽快で、コンテナ規格となるWebM(ファイル拡張子.webm)はシンプルな構造だという。ウェブにおけるストリーミング再生に適していて、ハイビジョン動画もスムースに扱える。また、エンコーディングも容易という。彼はここで実際にハイビジョン動画のデモを紹介。デモではかなりスムースに動画をインタラクティブに扱えることが伺える。非常に軽快だ。MozillaのWebMに関するリリース記事はこちら。
http://hacks.mozilla.org/2010/05/firefox-youtube-and-webm/


9:30
OperaのCTO、Hakon Wium Lie氏が登壇。OperaについてもWebM導入版が用意されているようだ。こちらも同様にHTML5の動画デモを紹介。Wikipediaのページ内に動画を配した例を紹介。Operaに限らず、とにかくWebMに関しては軽快に動画を扱えるとアピールされている。Androidについても、今年の第四四半期にリリース予定のコードネーム「Gingerbread」で対応する予定という。

9:35
AbodeのCTO、Kevin Lynch氏登壇。最近は米AppleとFlash Playerのことで揉めたAdobeだが、彼らはHTML5にもしっかりと取り組んでいるという。Lynch氏は「HTML5は素晴らしい」と語っている。彼は、「数週間前のWeb 2.0イベントでも言ったように、我々はHTML5の素晴らしいツールを提供する」と述べている。早速その例として、Dreamweaverのデモを紹介した。Dreamweaver CS5はHTML5とCSS3をサポートする。


彼は実際にいくつかコードを編集するデモを披露した。様々なデバイス向けのプレビューをスムースに表示させ、CSSのコードを簡単にチェック・編集することができる、という。また、同社のIllustratorとの連携によりHTML5のアニメーションイメージなども制作できるという。下の右図がその例だ。こちらもプレビューを確認しながら簡単に作れると語っている。また、FlashはWebMにも対応するようだ。HTML5のvideoタグもサポートするという。


9:45
Lynch氏が退場。再びGoogleのPichai氏が戻ってくる。Chrome OSに関する話に移る。Chromeでアプリをどのように起動・切り替えし、どのようなものが実際に利用できるか紹介するようだ。


いくつかのデモを紹介する。まずはTwitterクライアントの一つ「TweetDeck」だ。TweetDeckはAdobe AIR版のアプリやiPhoneアプリが有名だが、こちらはHTML5を使ったウェブアプリだという。他のアプリと同様に軽快に動作し、また、タイムラインのパネルをドラッグアンドドロップで移動することも可能。ゲームもご覧の通り(右下図)。3Dのアクションゲームがスムースに動いている。このゲームはレゴスターウォーズだ。もちろんこちらもHTML5。Pichai氏は、これらのアプリ以外にも新聞、雑誌など様々なウェブアプリが考えられ、それらを快適に利用することができるだろうと語っている。また、HTML5を使ったウェブアプリにすることで、全く新しい素晴らしい体験をもたらすと期待しているようだ。


9:51
実際に雑誌のウェブアプリのデモをするようだ。Sports IllustratedのTerry MacDonald氏が登壇した。ご覧のようにSports Illustratedの表紙が映っている。


ウェブマガジンには紙媒体の雑誌と異なり、ビデオを埋め込むこともできる。また、カタログの並び替えなど、自分なりにデータ、コンテンツを整理、検索、閲覧することができるという。


さらにページにはビデオだけでなく、ページに掲載されている以上の写真やその他の付属情報を埋め込むことができる。これは下図に記したように、メニューから簡単に閲覧・移動することができる。下の画像に映っている円状のものがメニュー。


とにかく、彼によれば、ウェブマガジンでは新しい体験を与えることができるという。

10:00
再びGoogleのPichai氏が戻ってくる。今度はChromeブラウザの現状について資料を公開する。Chromeブラウザのアクティブユーザー数が伸びているという。また、ウェブアプリのマーケットを提供することを発表した。「Chrome Web Store」が近いうちにオープンする予定だ。Web Storeでは無料、有料のウェブアプリを入手することができる。オープン時から40以上の言語に対応するという。また、開発者向けの「Chrome Dev Channel」も近いうちに利用できるようになるということだ。


10:03
Pichai氏退場。次は「Google Wave」に関するに話題に移るようだ。Google Waveのエンジニア、Lars Rasmussen氏が登壇。Google Waveを今日から全ての人に公開する、と発表。Waveによって仕事環境は劇的に効率的に変わるという。


10:09
David Glazor氏登壇。Googleのエンジニアリングディレクターだ。背中に「HTML5」と書かれたTシャツを着ている。背中の「HTML5」ロゴを参加者に向けて見せて笑いが起こる。彼はGoogleがいくつものウェブアプリを開発していると語る。また、ウェブアプリは基本的にパソコン、モバイル端末など、デバイスを選ばずに様々な環境で利用できる利点があるという。また、非常にスムースに利用できるということだ。


10:14
VMwareのCEO、Paul Martix氏が登壇。従来のアプリ、新しいウェブアプリ、それらにおけるVMware、Springsource、クラウドに関する位置づけについて紹介する。


10:20
Glazor氏が戻ってくる。VMwareのBen Alex氏がSpringsource(Springsourceは以前VMwareが買収したJavaフレームワークを開発していた企業)の開発ツールのデモを紹介する。彼らはGoogleのJavaアプリ開発フレームワーク「Google Web Toolkit」と「Spring Roo」を利用することによって、Javaアプリ開発工数の多くをカットできると語っている。特に最新のGoogle Web Toolkitでは、アプリのフロントエンドの制作が非常に容易に行えるという。Spring Rooはアプリのバックエンドを担当する。VMwareとGoogleはウェブアプリ開発環境に関して、今後も協力していくという。さらに、ChromeのSpeed Tracerエクステンションがアプリの動作チェック、スピードチューニングをよりスムースに行うことを手助けしてくれるということだ。ここら辺の話は特に目新しくないかもしれない。


とにかくHTML5によるウェブアプリの導入により、ウェブ体験が大きく改善されるということだ。このあたりの話はGoogleのオフィシャルブログにもアップされた模様(下記リンク)。
http://googleblog.blogspot.com/2010/05/google-io-2010-day-1-more-powerful-web.html
HTML5の導入によってウェブ上のデータをピックアップしたりズーミングやフィルタリングすることが容易にできる。確かにこれまでのウェブは基本的にリンクをクリックしていくだけ、というもので、「アプリ」と呼ぶことはできないレベルだった。しかもHTML5のウェブアプリのデモは見る限り、確かに速い。というような話がここでも続く。Flashなしでここまでできれば革新的といっていい。


10:40
気づいたらすでに予定時間を10分も超過している。しかし、まだまだ続きそうな気配。と思ったら、最後にiPadでのウェブアプリのデモを行う模様。デモは先ほどと同様のアプリ。さらに、Android端末で操作した内容が、即座にiPad上のアプリに反映されることも紹介している。このデモはちょっとトラブルで躓いたが、最後にはしっかりとスムースに同期された。要するにデバイスを選ばずに何を使っても同じような体験が供給され、そしてデータは即座に同期される、ということを紹介した。


さきほど紹介されたGoogleの「Chrome Web Store」のアドレスがわかった。下記だ。
https://chrome.google.com/webstore

10:50
再びGlazor氏が登壇。時間はすでに20分を経過したが、まだ終わりではなかった模様。彼はGoogleのエンジニア、Kevin Gibbs氏を紹介する。Gibbs氏は「Google App Engine」の紹介を始める。App EngineはJavaやPythonを使って開発するプロジェクトのバージョン管理機能なども備えるサービス。何か新機能でもあるようだ。ここで、「Google App Engine for Business」が発表された。ビジネス向けApp Engineはドメインコンソール、プロサポート、SSLサポート、SQLサポートなどの機能が提供されるという。また、App Engineは1日あたり50万ページビュー以上の利用者を獲得しているということだ。爆発的に利用者が急増しているようだ。


App Engine for Businessの利用価格は下図の通り。Gibbs氏はアプリ「The Surly Butcher」のデモを紹介している。ちなみに、Google App Engine for Businessのリリースは下記ページ。詳細はそちらをチェックして頂きたい。
http://googlecode.blogspot.com/2010/05/announcing-google-app-engine-for.html


11:05
終了。約35分超過したが、終始HTML5に関する話題だった。HTML5によるウェブアプリには明るい未来がありそうだと感じたが、当初はAndroid 2.2やSmart TVの発表があると噂されていただけに、会場のどよめきはほとんどなかったように感じた。笑いも少なかった。しかし、注目すべき点は数多くあったので、後ほど別途記事をまとめる予定。

また、翌日のキーノートは日本時間で21日0時半から2時まで開催予定。1日目と同様に速報ページでリアルタイムに情報をお伝えする予定。速報ページのアドレス等は20日夕方以降に当サイトのトップページで確認してほしい。また、関連サイトのリストを最後に掲載しておく。

なお、Google I/Oに関するTwitterのハッシュタグは「#io2010」。日本版は「#io2010jp」のようだ。

Google I/O 2010 公式ページ
Google I/O 2010 キーノートYouTube生中継ページ
Google I/O 公式Twitterアカウント

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