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話題のビデオ・オン・デマンドサービス「U-NEXT」の会社に遊びに行ってみた!

国内最大級のラインナップを誇るVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービス「U-NEXT(ユーネクスト)」を提供する株式会社U-NEXTへ、ITジャーナリストの一条真人氏と共に訪問した。ここではその取材レポート記事を紹介したい。

レポートに入る前にU-NEXTの概要からおさらいしたい。U-NEXTは対応テレビ、セットトップボックスの他、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、様々なデバイスで楽しめる動画配信サービスだ。以前はテレビやパソコンなどからしか視聴できなかったが、今夏AndroidやiOS端末にも対応し、パケットビデオ社のアプリ「Twonky Beam」を使うことで、スマートフォンやタブレットでも楽しめるようになった。

洋画、邦画、海外ドラマ、国内ドラマ、アニメ、バラエティなど様々な作品を揃え、月額1,990円から楽しむことができる。提供コンテンツには「見放題」作品と「PPV(ペイ・パー・ビュー)」作品があり、月額1,990円で見放題で楽しめるのは「見放題」作品に限られるが、「PPV」作品もそのコンテンツ毎に設定された額を支払うことで視聴できる。

新作などは「PPV」作品であることが多いものの、U-NEXTにはレンタルDVDなどと違い、足を動かさずに、その場でコンテンツを購入・視聴できる“手軽さ”という魅力がある。そして、新作を数多く取り揃えている点もU-NEXTの大きな魅力だろう。

それでは一条真人氏による本編をお届けしたい。





数日前(※編集部注:取材日は10月19日です)、「iPad mini」の発表を「Apple TV」で見た後、

「この世界に神なんていない」 (刹那・F・セイエイ)

という気持ちでU-NEXTで「機動戦士ガンダム00」を朝まで見ていた僕だが、やはり、ビデオ・オン・デマンドは便利だ。何しろ、借りに行かなくても、その場で見たいタイトルのビデオが連続していくらでも見られてしまうのだから。

最近は僕の周りではビデオ・オン・デマンドサービスの「Hulu(フールー)」が流行っているのだが、以前はテレビや専用セットトップボックスなどでしか楽しめなかったU-NEXTも最近はパソコン対応となり、AndroidやiPhoneなどのスマートデバイスにも対応したことで面白くなってきた。なお、このU-NEXTというのは、そもそも音楽配信サービスで有名な「USEN」で始まったサービスだ。2010年12月に株式会社U-NEXTとして分離独立し、現在は同社が運営しているサービスになる。


≪U-NEXTの視聴環境≫

先日、このU-NEXTに長田氏(GAPSIS編集長)とちょっと遊びに行って話を聞いてきた。忙しいなか、僕達に対応してくれたのは、同社の取締役 管理本部長の堀内雅生氏、広報担当の滝口未来さんだ。

▲写真左:堀内氏。使っているパソコンはVAIOだ。写真右:堀内氏(=右)と一条(=左)。


視聴デモはセットトップボックスが接続されたソニーの液晶テレビ「BRAVIA」とパナソニックの「VIERA」で見せてもらった。

▲上段に置かれているのがU-NEXT用のセットトップボックス。

セットトップボックスのメニューはリモコンのカーソルで操作しやすい感じだ。画面に表示される情報も読みやすい。やはり大画面はいいね、という感じ。ちなみに最近のスマートテレビの多くはU-NEXTに対応しているので、テレビ本体だけで見ることもできる。もちろん、対応していないテレビの場合はセットトップボックスを使えば見ることができる。

パソコンの場合はブラウザで視聴できるので、WindowsでもMacでもOKだ。

▲メニュー画面からジャンルを選択して目的のコンテンツを探すことができる。

ちなみにAndroidやiPhoneなどのスマートフォンで視聴する場合はパケットビデオ社の「Twonky Beam」というアプリを使う。

「なぜ自社で視聴アプリを開発しないのですか?」

という長田氏の質問に対して、堀内氏は「自社開発よりも、既にWebブラウザベースでの著作権保護されたビデオを処理するプログラムを開発しているTwonky Beamと共同開発したほうがコストや拡張性のメリットがあるためです」と答えた。著作権保護されたコンテンツをWebブラウザ上で再生するにはTwonky Beamは最適なプログラムであるとの判断のようだ。

「それでも、U-NEXTを(Twonky Beamのメイン画面の)一番上の段に、文字を大きく目立つようにしてもらっていて、わかりやすくしています。また、最近はAndroidではショートカットアプリを配布して素早く起動できるようにしています」とのこと。

Twonky Beamは「Beam」という名前通り、著作権保護に対応したDLNAレンダリングデバイスに映像を転送することもできる。実際にAndroidスマートフォンからVIERAに映像を転送するデモを見せてもらった。

▲AndroidのTwonky BeamでU-NEXTのコンテンツ情報を表示しているところ。

▲コンテンツ画面で、ディスプレイの右端から左方向に指をスライド操作すると、
プレイヤー選択画面が表示される。ここで再生したいデバイスを選択する。今回はVIERA。

▲実際にAndroidからU-NEXTのコンテンツをテレビに転送再生しているところ。


≪U-NEXTのコンテンツ≫

「Huluなどと比較した場合のU-NEXTの特徴は?」

という質問に対しては、「Huluは海外ドラマなどに強いですが、U-NEXTはまんべんなく様々なジャンルをカバーしています。日本の映画、ドラマやアニメコンテンツが豊富です。アニメに関しては現在では『ガンダム』や『プリキュア』、『ジョジョの奇妙な冒険』など人気タイトルが揃っています。また、日本のドラマではちょっと古いものもあるので、いろいろ懐かしく見られるのでは? と思います。フジテレビの『踊る大捜査線』シリーズも人気タイトルですし、比較的新しいドラマではTBSの『SPEC』なども人気があります」。

最近、アニメの放映が開始された「ジョジョの奇妙な冒険」(通称「ジョジョ」)はかなり人気が高い。ジョジョはテレビ放映後にわりとすぐにオンデマンドで見られるので、録画を忘れたときにも便利だ。また、ガンダムシリーズの取り揃えも豊富なので、僕は「機動戦士ガンダム00」のファーストシーズンを見なおした。

▲超人気アニメの「ジョジョの奇妙な冒険」も見られる。

▲プリキュア特集の画面。

▲SPECは映画化もされた人気ドラマだ。

「Huluの月額980円に対して、月額1,990円という価格はどのように考えていますか?」

という質問に対しては、「U-NEXTのコンテンツには見放題のものと課金されるPPVがあり、1,990円の定額では見放題コンテンツを見られるわけですが、この見放題コンテンツだけでも、かなり楽しめるタイトルが揃っています。海外ドラマ中心のコンテンツ構成では、ほかの種類のタイトルも見たくなって、結局はレンタルビデオを借りたくなってしまうかもしれません。ですが、U-NEXTなら1,990円である程度幅広いコンテンツを楽しめます」。

「海外ドラマなどで吹き替えの配信はされないのですか?」

という質問に対しては、「現在でも吹き替えになっているタイトルはあります。このあたりはコンテンツサプライヤーとのライセンス契約の問題になっています」との回答で、タイトルごとに状況が異なっている。字幕で提供されているタイトルがあれば、吹き替え版が提供されているタイトルもある、というのが現状だ。ユーザー視点での理想形は字幕版と吹き替え版が選択できる形だが、U-NEXTではこの点も含めた様々な点においてユーザーからの要望に耳を傾け、サービスの改善に努めていく、という意向を伺っている。

「一部のタイトルがPCやスマートデバイスで再生できないで、テレビでしか見られないのは残念ですね」と聞くと、「それもライセンス契約の問題ですが、順次対応していきます」とのこと。実は一部のタイトルに、PCやスマートフォンで視聴できないものがあり、それらはテレビでしか見られない。だが、あくまでも現在の話であり、今後順次対応されるようだ。それにより、PCやスマートフォンなどでの状況も改善されていく見込みだ。

U-NEXTは日本のドラマのコンテンツは確かに豊富であり、僕はテレビ放映時には見逃していた北川景子さん主演の「LADY~最後の犯罪プロファイル~」(TBS系)なども見放題で見ることができた。

また、U-NEXTは海外ドラマについても弱いわけではなく、現時点では「クローザー」(The Closer)のシーズン1~3を見放題で見られたり、PPVではあるがHuluにはまだない海外ドラマ「フリンジ」(Fringe)のシーズン4を見ることもできる。

▲日本のドラマは強力。

▲海外ドラマも意外に強力だ。

▲話がはずむ堀内氏(=右)と一条(=左)。


≪DVDを返す暇のない人にオススメ≫

取材を終えた長田氏。
DVDの話で力なく笑った姿を写真に収めた。
U-NEXTについて知識を深めた我々だが、帰りの長田氏との会話が印象的だ。

「あれ? 道、こっちでいいんですかね? ……それにしても、僕みたいな人間にはU-NEXTはいいですね。DVDを返さなくていいのがいいですね」

ちなみに長田氏はGoogleマップがないと、どこにも辿り着けない男なのだ(※編集部注:一条氏も同様なのは言うまでもない)。

「ポストで返却するだけでも?」

と僕が聞くと、

「いつも疲れきってて、ポストまで行く元気ありませんよ」と力なく笑った。

【情報元、参考リンク】
U-NEXT


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

→コラム「一条真人的Androidライフ」を連載中!

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