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フジのF1放送・配信形態をチェック。2026年より地上波、CS、ネット配信を展開し、F1 TV Proなども提供

フジテレビジョン(以下、フジテレビ)は5日、「Formula 1」(以下、F1)の日本国内における独占オールライツ契約を締結したと発表した。この契約の期間は2026年から2030年までの5年間。その間、日本国内でのF1の放送及び配信はフジテレビ系列の独占となる。

<▲画像:フジテレビジョンが2026年から2030年までの日本でのF1放送・配信の独占契約を締結>

そのため9年に渡ってインターネットを介してのF1ライブ配信及びアーカイブ配信を行ってきた「DAZN」での配信は2025年シーズンをもって終了となる。

そのことはDAZNからも同日発表された。DAZNは5日、「来季以降のF1配信につきまして、今シーズンでの契約満了をもって、DAZNとしての配信を一旦終了することとなりました」とのコメントを公式Xにて発表している。

長い間、日本のF1ファンはフジテレビ系のCS放送である「フジテレビNEXT ライブ・プレミアム」かネット配信サービスである「フジテレビNEXTsmart」、要するにフジテレビ系のサービスとDAZNという2つの選択肢からF1の視聴環境を選ぶことができていたが、2026年シーズンからはフジテレビ系サービスのみになる。

かくいう筆者はDAZN登場以前はCS放送のフジテレビNEXTで視聴していたが、DAZN登場後はネット配信の方が便利であるという点と、コメンタリー陣の好みからDAZNへと乗り換えていた。

筆者と同じDAZNユーザーは今後のF1を見たい場合にはフジテレビ系サービスへの移行が必須となる。

では実際にフジテレビはどのような体制でF1視聴環境を提供する予定なのかチェックしていきたい。

まず、今回フジテレビが結んだ契約は従来より権利範囲が広がっていることに注目すべきだろう。

F1は自前でライブ配信サービス「F1 TV Pro」及び「F1 TV Premium」を提供している。しかし、これはテレビでの中継が無い国のファンに向けて提供されている公式のサービスであって、日本のようにテレビ局による中継が行われている国のユーザーは原則として利用できない。それが今回の契約によって2026年以降は日本でも提供されるようになる。すなわちフジテレビのサービスを介して日本のファンも「F1 TV Pro」及び「F1 TV Premium」を利用できるわけだ。

結果、2026年以降のフジテレビは自前のコメンタリー陣による日本語実況・解説の従来型の放送・配信番組に加えて、英語で行われるF1 TV Pro/F1 TV Premiumも配信するということになる。

F1 TV Pro/Premiumの使用言語は英語のため、実際にメインとして利用するユーザーは限られるかもしれないが、ドライバー別のオンボード映像やライブタイミングなど様々な追加コンテンツを楽しむことができるので、日本語中継と併用するファンは多いだろう。

DAZNでは「F1ゾーン」と題した4分割画面の配信スタイルによってメインの中継映像の他、ピックアップされたオンボード映像、タイミングモニター、トラックマップという4種類のデータを同時に視聴することができるが、今後のフジテレビ系列での視聴においてもF1 TV Pro/Premiumを利用することで、同種のスタイルというか、より情報量の多い形での視聴ができるようだ。

このF1 TV Pro/Premiumは、フジテレビの動画配信サービス「FOD」との連携によって行うとされているため、恐らくFODアプリやFODのウェブサイト上で利用できる形となるのだろう。

ただし、5日の発表時点では実際にFODでどのようにF1 TV Pro/Premiumが提供されるのか、その利用方法は? といった具体的な内容までは明らかにされていない。それらについては後日発表予定とされている。願わくば追加料金無しで利用したいが、料金体系についても後日の発表を待つしかなさそうだ。

では、従来型の日本語実況・解説の放送はどうだろうか?

こちらについてはCS放送、インターネット配信、そして地上波のフジテレビという3形態で行われる。

今回新たに地上波が復活したことになるが、地上波では厳選したグランプリ5戦のダイジェスト版を放送するという。ファンとしては全戦のダイジェスト版を放送して欲しい所だが、厳選5戦でもこれまでと比べると嬉しい展開だろう。やはり新規ファンを増やすには無料放送は重要だろうし、個人的には新規ファンにはライブ放送よりも編集したダイジェスト版の方が分かりやすく、入りやすいのではないかと思うので、とても良い取り組みだと感じた。

CS放送は従来通り「フジテレビNEXT ライブ・プレミアム」で行われる。アンテナを設置したくない方、ケーブルテレビサービスなどを利用していない方でも「フジテレビNEXTsmart」でのインターネット配信での視聴もできる。昔はCS放送契約がなければ「フジテレビNEXTsmart」に視聴はできなかったが、今ではCS放送契約がなくても視聴できる。ただし、「フジテレビNEXTsmart」では見逃し配信はCS契約者限定での提供のようなので、その点は残念だ。とはいえ、2026年以降には変更されるかもしれないし、今後の詳細発表に注目だろう。

そしてインターネット配信だが、今述べた「フジテレビNEXTsmart」の他、FODでの配信も行われるようだ。おそらく一般ユーザーが最も気軽に視聴しやすい手段はFODになるのだろう。

CS放送同様、FODでも「F1GPニュース」、オフシーズンには総集編などの関連番組も配信されるという。

今回フジテレビは社内に「F1ブームアップ委員会」を発足し、全社一丸となってF1コンテンツの拡充に取り組むとしており、明らかに気合が入っていることが見受けられ、視聴環境が大幅に改善することが期待される。

より具体的な内容も準備が整い次第発表されると思われるので、それを待ちたい。

なお、FODには複数のプランがあるが、一般的な「スタンダード」プランの料金は月額1,320円(税込、以下同)で、10万本以上の動画が見放題となっている。このプランでF1の配信コンテンツを全て視聴できるのであれば、かなり魅力的だし、現行の「フジテレビNEXTsmart」の月額1,980円よりも安い。最終的にネット配信についてはどのような形で行われ、料金がいくらになるのか、その辺りの詳細を早く知りたいところだ。実際、FODのスタンダードプランで視聴できるのであれば「フジテレビNEXTsmart」は存在意義が無くなる。

また、FODのスタンダードプランは複数機器での同時視聴も最大4台まで対応しているので、例えばテレビのFODアプリやPCなどで日本語実況・解説のメイン中継を見ながら、手元のタブレットでFODのF1 TV Proでオンボード映像やライブタイミングなどを見ながら、スマホのアプリでまた別の映像やコンテンツを見ながら、といったマルチモニター環境での視聴も構築できる。

筆者自身、9年間DAZNユーザーだったので久しぶりのフジへの出戻りで不明な点も多々あるが、詳細が判明次第フジでのF1視聴サービス及び環境についてまとめた記事を用意したいと思っている。

情報元、参考リンク
フジテレビ/プレスリリース
フジテレビONE TWO NEXT(スカパー!)
AmazonでのFODチャンネル
FOD公式サイト

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