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【島田純のMobile×Travel】第47回:中国移動香港の4G LTEローミング対応プリペイドSIMを中国、韓国で使ってみる

香港の通信事業者「中国移動香港」が販売するプリペイドSIMカードを香港、中国、韓国で使ってみました。

中国移動香港のプリペイドSIMを使って中国で4G LTEローミング接続

今回試したプリペイドSIMカードは「4G/3G Data & Voice Roaming Prepaid SIM Card」で、最大の特長は中国を含むアジアの国々でLTE国際ローミングが利用可能な点。6月8日現在、中国、日本、台湾、韓国、フィリピンでの4G LTEローミングに対応しています。

同プリペイドSIMは、中国移動香港のWebサイトでもサービスの紹介ページが用意されています。
4G/3G Data & Voice Roaming Prepaid SIM Card

■4G/3G Data & Voice Roaming Prepaid SIM Card
・販売価格:108香港ドル(約1,700円) ※定価
・初期残高:106香港ドル (108香港ドル - 管理料 2香港ドル)

SIMカードに含まれる初期残高は売価(定価)と同じ108香港ドル。プリペイドSIMカードをSIMフリーのスマートフォンやモバイルWi-Fiルータにセットして利用を開始すると、すぐに2香港ドル分が管理費として引き落とされるため、初期状態で106香港ドル分を利用できます。

中国移動香港の「4G/3G Data & Voice Roaming Prepaid SIM Card」のデータ通信料金(上限)は以下の通りです。

[データ通信料(上限)]
  • 香港:28香港ドル/日
  • 中国:68香港ドル/日
  • 日本:98香港ドル/日
  • 台湾:98香港ドル/日
  • 韓国:98香港ドル/日
  • フィリピン:98香港ドル/日
※4G LTEローミング対応の国のみ記載。

データ定額パッケージなどへの申込登録を行わなくても、自動的に上記の料金上限が適用されるため、細かい手続不要でカンタンに使えるのも一つの特長です。

同プリペイドSIMカードで4G LTEが利用可能な国で特に恩恵が大きいのは中国での利用でしょう。中国では既に4G LTEが提供開始されており、中国国内向けに4G LTE対応のプリペイドSIMカードも提供されていますが、中国国内の回線からはTwitterやFacebookなどのSNSサービスの他、Googleなどの各種サービスを利用することができないため、普段これらのサービスを使っている方にとっては非常に不便です。

しかし、今回紹介しているプリペイドSIMカードは中国移動香港のプリペイドSIMカードであり、中国国内ではローミング接続での利用となるため、中国国内向けの回線に対して適用されるアクセス制限を気にする必要がありません。普段使っているTwitter、Facebookなどのサービスも、そのまま中国で使用することが可能です。

とはいえ、中国では国際ローミングでの利用となるため、現地でプリペイドSIMカードを購入して使うのと比べれば割高ですが、中国向けのローミング料金は1日あたり68香港ドル(約1,050円)と、他の国や地域と比べて安価に設定されており、日本の携帯電話各社の提供する海外ローミングサービスの最大2,980円/日と比べると約3分の1の料金で利用できます。

また、定額パッケージなどの申込をしなくても、定額対象となっている15か国(16の通信事業者)であれば自動的に上限料金が設定されるという点も非常に手軽。「プリペイドSIM」であるため、いわゆる「海外パケ死」の心配が無いという点も万が一のことを考えると安心できるでしょう。

ローミング定額対象の国と事業者(パッケージに記載)

今回、同プリペイドSIMカードを使ったのは中国の深セン、上海および韓国のソウル。深センでは中国移動の4G LTEキャリアアグリゲーションが利用可能でした。スピードテストでは下り数Mbps程度と奮わない結果でしたが、華強北路付近の電脳街ではビルの中でも4G LTEで通信を行うことができ、滞在中のインターネット接続手段として全く不自由を感じることがありませんでした。

深センでのスピードテスト結果はイマイチ

しかし、その後上海に移動すると通信環境はイマイチ。接続されるネットワークが3Gや2Gに落ちてしまうだけでなく、4G LTE接続中でも通信速度がかなり低下したり、たびたびデータ接続が切断されてしまうなど、快適なデータ通信環境とは言い難い状況でした。

上海駅では2G接続に

上海でのデータ通信速度低下は、上海の前に深センでデータ通信を使い過ぎたのが原因かも? と考えもしましたが、続けて訪問した韓国では何ら問題無く快適なデータ通信が利用可能。やはり問題は上海の中国移動のネットワーク品質であったものと考えられます。

なお、上海 → ソウルと移動してソウルでも4G LTEローミングを利用したところ、中国でのローミング料金と韓国でのローミング料金が両方発生し、合計で166香港ドル(約2,600円)が引き落とされてしまいました。日本の携帯電話各社のローミングサービスでは、複数の国を跨いで利用しても国単位で料金が発生することはありませんが、このプリペイドSIMカードの定額料金は国別で料金が引き落とされる点には注意が必要です。

前述の通り上海でのデータ通信品質はイマイチではありましたが、それでも中国での4G LTEローミングがそこそこの料金で使えるプリペイドSIMカードは、中国に短期滞在する際には便利なプリペイドSIMと言えるでしょう。

「4G/3G Data & Voice Roaming Prepaid SIM Card」はAmazonなどでも販売されています。6月8日現在の販売価格は2,280円となっています。

Amazonでの販売ページは以下より。




記事執筆者プロフィール
島田純
ブロガー/フリーライター
Twitter:@shimajiro、ブログ:shimajiro@mobiler

ブログとモバイルと旅が好きなフリーランスのブロガー/ライター。
モバイルWi-Fiルータやデータ通信関連が得意です。

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