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【実機レポート】ONE SONYのパワーで進化した「Xperia Z1」

このところ、GAPSISの連載でもカメラ機能は今後のスマートフォンの1つのキーになるんじゃないか? という話(こちらの記事)をしてきたが、Xperiaの新機種「Xperia Z1」はこのカメラ機能で大きく進化してきた。Xperia Z1はコンシューマーエレクトロニクスショー「IFA」が開催されるドイツ・ベルリンで発表されたものだが、日本国内でも早急に投入される予定になっている。このXperia Z1を少し触る機会があったので、その話をしたい。

Xperia Z1の実機

まず、Xperia Z1に搭載されるCPUはクアルコムのクアッドコア「MSM8974」の2.2GHz。Snapdragon 800シリーズで、現在、最速レベルになる。とはいえ、普通に操作する限りはXperia Zからの高速化はもはや感じないが、映像処理関連などの処理をした場合に差がでてきそうだ。


■ボディ

ボディはSnapdragon 800の放熱のためか、3,000mAhに大容量化したバッテリーのためか、Xperia Zから一回り大きく、厚くなっている。数値でみると約144×74×8.5mmだ。

これを読んで、

「持つと手が痛いんじゃない?」

と思った人もいるかもしれない。

Xperia Zのサイドがカクカクしたボディが一回り大きくなったら、まさにその通りだが、Xperia Z1ではサイドがより丸まって、マイルドに手の中に収まる。Xperia ZのユーザーがXperia Z1を持てば、「Z1持ちやすいなあ(・∀・)」と思うことだろう。

サイド部分にはアルミのフレームが走っているのだが、デザイン的に主張が強すぎないので、Xperia Zと比較してアクの強くないマイルドな印象になっている。また、このフレームはアンテナ機能も持っている。ちなみに従来はカバー付きだったイヤフォンジャックがカバーレスになった。カバーレスでも防水機能を保てるようになったのは、使い勝手的にはありがたい。

でしゃばらないデザインのアルミフレーム。電源ボタンのデザインは継承されている。
(※クリックして拡大)

Xperia Z1(上)とXperia Z(下)。Zはイヤフォンジャックにカバーがあるのに対して、Z1はカバーレス。Z1は幅も厚みも増しているのだが、デザインのせいか薄く見える。また、サイドが丸まっているので持ちやすい。

Xperia Z1の紫はXperia Zよりも青っぽくスポーティな印象。

ボディカラーは白、黒、紫の3色。女性の手には白が似合いそう?


■表現力の高いディスプレイ

そして、Xperia Zユーザーであれば、そのディスプレイ表示が明らかに変わっていることに気がつくに違いない。同じ5インチディスプレイであるのに、だ。

Xperia Zのディスプレイはホーム画面を表示していると、そのリニューアルされた壁紙とあいまって、妙なダイナミックさを感じる。これに対して、Xperia Z1のディスプレイでホーム画面を表示していると、よりマイルドな繊細さを感じるのだ。同じ壁紙でホーム画面を表示しているのに、だ。

Xperia Z1はサイズは同じではあっても、そのディスプレイが大きく変わっている。1つはトリルミナスディスプレイ、そして、画像補正エンジン「X-Reality mobile」の搭載だ。

トリルミナスは通常のディスプレイよりも表示色域を広げた技術で、従来では表示しきれなかった周波数の赤や青を表示してくれる。よりオリジナルに近い色を表示することができるわけだ。そして、X-Realityは画像補正で、ノイズを減らしたよりスムーズな映像の表示ができる。

これらの効果で、ホーム画面の壁紙の表示ですらも、同じ壁紙を表示したXperia Zとは異なる表示になっている。そもそもXperiaがZから使っている新しい壁紙はいろいろな色を使っているので、トリルミナスディスプレイがその実力を発揮しやすいのだろう。

表現力が高いXperia Z1のディスプレイ


■超解像3倍ズームで一気にスマホ最強カメラ機能に?

そして、Xperia Z1ではカメラ機能に驚かされる。なんと、その映像素子のサイズは同社のコンシューマー向けコンデジ「DSC-HX50V」などと同じサイズ、1/2.3型で20.7万画素だ。最近ではスマートフォンのせいでコンデジが売れないという話があるが、本当にコンデジ並の映像素子を搭載してしまったXperia Z1はエポックメーキングなモデルだと言えるだろう。

そして、組み合わされるレンズは「Gレンズ」。これはソニーの自社開発レンズで、もともとは業務用ビデオカメラなどで使われていたブランドだが、最近ではソニーのビデオカメラやデジカメにも拡大されている。その明るさはF2.0でかなり明るい。画角は27mmと一般的なスマートフォンのレンズと比較して広角ぎみで画角が広い。

たとえば、iPhone 5の画角は33mm。結構万能に使えて便利な画角だ。それより画角がかなり広いことで、Xperia Z1は状況によって少し使いにくいのでは? という印象を受ける人もいるかもしれない。しかし、Xperia Z1にはこれをカバーする機能が搭載されている。

それが超解像3倍ズームだ。これは4Kテレビやビデオカメラなどで搭載されるソニー得意の超解像技術を使い、3倍までのデジタルズームでもある程度の画像の美しさを保ち、実用的な画質を得るというもの。これによって、27-81mmで実用的な画質での撮影を可能にしている。この超解像ズームが、Xperia Z1が広角なレンズを搭載した秘密なわけだ。

これによって、今までのスマートフォンよりも幅広い状況での撮影を可能にし、Xperia Z1があればより幅広い状況で活用できる。Xperia Z1がコンデジの活躍の場を奪い、「コンデジはいらない」と本気で感じる人が増えるのは間違いないだろう。

ソニー独自開発のGレンズを搭載


■便利そうなカメラアプリ

今回、カメラを活用するアプリがいろいろと搭載されており、実際に試してみたが、なかなか面白い。なかでも実用性を感じたのが「Infoーeye」。これは撮影した写真に写っているものの関連情報を表示してくれるというアプリだ。まずは対象物の種類を認識してから、その情報に最適なサーバーにアクセスして、情報を表示してくれる。

情報の種類としては有名な建物、ランドマークやワイン、書籍などがある。建物の場合、その建物の名前や歴史などがわかるだけでなく、近くのレストラン情報なども表示してくれる。

撮影するだけで、さまざまなものの情報を検索できる「Info-eye」

また、恐竜の世界などの様々なAR効果を追加できる「AR effect」も面白い。

いろいろ楽しいAR効果を追加できるAR effect


■It's ONE SONY

Xperia Z1はディスプレイ技術、カメラ技術など、ソニーの持つ様々な技術が投入されている。一時期から「ONE SONY」という言葉が使われ、様々な事業の関連性を高める宣言をしていたソニーだが、このXperia Z1ではその成果が十分に出た結果となった。

これにより、Xperia Z1は他のスマートフォンメーカーが簡単には追いつけそうにない製品となったのを感じる。Xperia Z1を手にすると、単なるAndroidスマートフォンを超えたサムシングを感じざるを得ない。そして、もうすぐ世界中の人々もそれを感じることになるだろう。

(記事:一条真人

UPDATE
下記記事も公開しました。
【ドコモ2013-14冬春モデル】 最強のカメラで進化した「Xperia Z1」(SO-01F)

【情報元、参考リンク】
ソニー、Xperia Z1を発表。カメラ機能大幅向上のプレミアム・スマートフォン
ソニー/Xperia Z1に関するプレスリリース

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