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【一条真人的Androidライフ】第135回:完璧で快適なセキュリティへの遠い(?)道

皆さんはスマホのロック画面にセキュリティを掛けているのではないかと思う。ロックにはいくつかの種類があって、指でパターンを描いたり、パスワードを入力したりしてロックを解除することもできるが、そんな操作をするのは面倒なので、現在のスマホの多くは指紋認証や顔認証機能などを搭載している。

<▲図:ASUSのZenFone Max Plus(M1)は、
指紋認証機能に加えて顔認証機能を搭載している>

指紋認証はユーザーが指紋センサーに指を押し当てる動きをする必要があるのに対して、顔認証ではスマホに顔を向けるだけでいいので、より楽だ。現在の顔認証機能では、インカメラでスマホの前にいる人間の顔を捉え、登録者と同じ人間なのかどうかを比較して判断するわけだ。

一見、ユーザーにとっては理想的にも思える顔認証機能だが、実際に使ってみると問題がないわけでもない。

どういうことか? というと、普通の人は帽子をかぶったり、眼鏡をかけたり、マスクをしたりすることがあるからだ。

現在の技術では、帽子や眼鏡やマスクを装着しただけで、スムーズに認証してくれなくなってしまうことが多いのだ。

<▲図:ZenFone Max Plus(M1)での顔認証登録について>

顔認証機能は今後、スマートフォンに搭載されるプロセッサが高速化し、処理も進化すれば、よりスムーズになって認識率も高くなると思うが、完璧への道は結構遠いのではないかと思う。例えば、マイクをすると、鼻と口、顔の下半分の輪郭が隠れてしまうわけで、そんな状態でも同じ人間だと簡単に判別してしまうのも、どうかとも思う。それこそ、なりすましの恐れが出てくる。マスクやら帽子やら、そんな状態でも認識しろという、ある意味無理難題への柔軟な対応までできるレベルの顔認識機能の実現はそれなりに難しそうだ。

そのため、それまでの間は、指紋認証センサーの方が使い勝手がいいのではないかと思う。

ただ、指紋認証センサーの搭載場所は機種によってマチマチだ。

背面に指紋認証センサーを搭載する製品のウェブサイトを見ていると、背面だと指がすっと自然にセンサーの場所に行く、というようなことが書かれていたりするが、現実には使い慣れた人でなければ、スムーズに背面の指紋認証センサーに指が行ったりはしないと思う。

なにしろ、正面から背面は見えないし、そもそも手や指の形やサイズも人それぞれ異なる。端末の持ち方だってバラバラだ。

それよりは前面の物理ボタン(ホームボタンなど)に指紋認証センサーを搭載した方が、シュアにセンサーに指を置ける。また、「Xperia」シリーズのように、サイドに配置された電源ボタンに指紋認証センサーを仕込むのも、背面に比べれば、よりスムーズだと思う。

結局、端末のセキュリティ保護の方法は、現状ではいずれも面倒くさい部分を抱えている。

しかし、落としたスマホを他人に勝手に使われてデータを見られたりする危険を考えれば、「仕方ない」と思える。

何にしても、今後、さらに新しいセキュリティの方法が開発されていくのではないかと思うが、実用的で快適なものへの道は遠そうだ。

【情報元、参考リンク】
ASUS公式オンラインショップ「ASUS Shop」


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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