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【一条真人的Androidライフ】第108回:フランス発のスマホ「Wiko Tommy」を見て考える

今日はWiko(※編集部注:2011年設立のフランスのモバイル端末ベンチャー。日本進出は日本法人ウイコウ・ジャパンを設立して実施)というフランスのスマホブランドの発表会に行ってきた。このメーカー、フランスで2位のシェアを持つという。今回発表されたスマホは「Tommy」(トミー)という、なんだかアメリカ的な感じのする名前だ。トミーガンていうのもあるしね。ちなみにトミーガンていうのは、アメリカの禁酒法時代のマフィアが使っていたマシンガンね。

<▲図:Wikoの日本市場進出第一弾スマートフォン「Tommy」実機。
日本の端末にはない魅力を感じる>

このトミーっていうスマートフォンは、パフォーマンスは低いんだけど、ボディはしっかりした作りで、今の日本のスマホと比べると、ちょっと驚くほどのクオリティ感。外観はちょっとファッショナブルで、背面パネルを交換することができ、ユーザーは様々なカラーを楽しむことができる。

<▲図:Tommyのプレス写真>

シンプルな製品ではあるが、今の日本のスマホにはない魅力を感じる。

僕は最近、スマホの新製品に興奮することがあまりなくなってしまった。今やスマートフォンは実用品として必要以上のパフォーマンス、機能を持っているので、僕の興味を引きにくくなってきたのだ。

まあ、カメラ機能がもう少しなんとかなって欲しいとか、バッテリーの持ちが向上して欲しいというような要望はある。光学5倍ズーム搭載で4K動画が撮影できて、手ブレ補正が効き、1週間に1度充電すればいいなら最高だ。しかし、それが絶対に欲しいわけでもない。

スマホは多くの市場を破壊している。カメラ市場、テレビ市場、ボイスレコーダー市場など様々だ。それらのモノのかなりの部分をスマホは侵略してしまっている。

しかし、必ずしも多機能でなくてもいいんじゃないか? そういう市場もある。

それは若者向け市場だろう。

小うるさいオッサンのように画質にうるさくはないだろう。そして、極端に快適なパフォーマンスも要求しないだろう。なにしろ、「どんなものが快適か?」という価値の視点をまだ持っていないのだから。

今、日本の女子高生の85%はiPhoneを使っているというデータもある。しかし、いくらなんでもシェアが大きすぎる。格安スマホの戦いで、スマホの価格は急速に下がっている。

これは日本での話であり、ヨーロッパでは結構安い端末が人気だ。それはヨーロッパ人が意外とお金がないからだ。というか、日本人のように、こういうものに金をかけられるほうが世界的には稀なのだ。

若者向け端末には、まだ面白い可能性があるのかもしれない。Wikoを見ていて、そう思った。

ちなみに、Tommyの概要にもう少し触れておくと、発売日は2月25日で市場での想定実売価格は14,800円(税抜)、展開されるカラーはブリーン、フラッシュレッド、トゥルーブラックの3色。

OSはAndroid 6.0で、CPUはQualcomm Snapdragon 210 MSM8909+で、これはクアッドコア1.3GHz、メモリは2GB ROM、16GB ROM、ディスプレイは5インチHD液晶、通信は2G、3G、4G(LTE)対応で、VoLTEもサポートする。GPS、Bluetooth 4.1、800万画素のメインカメラ、500万画素のサブカメラなどを搭載し、ボディサイズは約145.9×71.5×8.9mm、重さ約145gだ。

【参考リンク】
jp.wikomobile.com


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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