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【一条真人的Androidライフ】第79回:ChromebookとAndroidって統合するの?

Googleは現在、Android以外に「Chrome OS」というOSを持っている。これはパソコン的な機種向けのOSであり、ローコストを武器にそのOSを搭載したノートPC「Chromebook」が北米の教育関係ではシェアを広げ続けている。しかし、広げ続けていると言っても、Windowsの圧倒的なシェアの前にはあまりに小さい。

ASUS Chromebook Flip

これに対して、Androidのスマートフォン/タブレット界でのシェアは非常に大きい。そのため、ある日、とある海外メディアで「GoogleはChrome OSとAndroidを統合して、Android1つにするらしいよ」という記事が見たときに、本気で信じてしまった。

しかし、それは無いらしいということがGoogle自体から発表された。まあ、世の中では「ない」と言われたことがあったりすることもあるので、なんとも言えないが、AndroidはAndroid、Chrome OSはChrome OSで発展していっても悪くない。

ちなみに僕は最近、ASUSの「Chromebook Flip」というChromebook端末を使っている。Chrome OSはほんどのアプリではWebブラウザでクラウドサービスにアクセスして作業を行うという非常に未来的な性質を持っている。

Chrome OSのアプリはクラウドサービスにアクセスするためのショートカットに過ぎない

それに対して、言うまでもなくAndroidはネイティブにプログラムを動かしている。

これをどう統合するのか? はわからないが、まあ、ChromebookでできることはAndroidでできてしまう。なにしろChromeブラウザを起動して、それでサービスにアクセスしてしまえばいいのだから。

最近ではWindowsなどはスマホからパソコンまでをOS的に統合した「Windows10」をリリースしているので、このようなことを考えたのかもしれない。Windowsの場合、そのネイティブなコードがどのプラットフォームでも動く(最悪、サイズを超えて開発しやすい)ということが、パッとしないWindowsスマホのセールストークとしては重要なのだろう。

スマホやタブレットというジャンルの市場が激しい速度で発展しているため、このジャンルでマイクロソフトがポジションを築きたいためだろう。

一方のAndroidは、そもそもスマホ、タブレットを制圧しているので、クライアントマーケットが冷めてきているパソコンセグメントに進出を焦る理由もない。

そんなわけで、GoogleがしばらくはAndroidとChrome OSの2つのOSをキープし続けるのはごく自然なことなのだろう。

世界を制圧しているAndroidにとって、次の課題は最新版OSへのアップデートの壁だろう。多くのAndroid端末が、せいぜい1回ぐらいしかアップデートしない現状では、長期的に端末をセキュアに使い続けるのは難しい。

これについては遠くない未来にGoogleが何かビジョンを見せてくれるのではないか? と勝手に期待している。

スタンドフォルムにもなるChromebook Flip。変形機構も魅力だ。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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