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【島田純のMobile×Travel】第45回:各社の「SIMロック解除」対応まとめ&海外利用時の注意点

総務省は「SIMロック解除に関するガイドライン」を改正し、2015年5月1日以降に発売される機種に関しては、各社共通でSIMロック解除に対応することを義務化しました。

ガイドラインの改正に伴い、ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社から発売される機種は原則としてSIMロック解除が可能になります。今回は、各社のSIMロックの解除に関するルールと、SIMロックを解除して海外のプリペイドSIMカードなどで利用する際の注意点をご紹介します。


<SIMロック解除対応のまとめ>

各社のSIMロック解除への対応は以下のようになっています。
  • 2015年5月1日以降の機種で対応(一部、4月発売機種も対応)
  • 端末購入から180日以内はSIMロック解除不可
  • SIMロック解除手数料はWeb経由の場合無料、店頭で手続きすると3,000円(税別)

SIMロック解除に関するルールはおおむね3社で共通ですが、「本人以外が購入した機種」のSIMロック解除に関してはKDDIのみが対応可能で、ドコモとソフトバンクモバイルは対応不可となりました。このため、オークションサイトなどで「白ロム」として購入した機種は、携帯電話キャリアから端末を購入したユーザ自身がSIMロック解除を行っていない場合、SIMロックの解除が不可となります。

また、解約済機種のSIMロック解除に関しても、ドコモとソフトバンクモバイルでは回線解約から90日以内に契約者本人が行う場合に限り、SIMロックの解除が可能となっています。KDDIに関しては、回線契約者でなくてもSIMロック解除が可能であるため、解約済み機種であってもこれらの制限は特にありません。


<ドコモのSIMロック解除の変更点>

ガイドラインの改正に伴って、3社共にSIMロック解除に対応しますが、ドコモから発売される機種は、iPhone、iPadを除いて従来よりSIMロック解除が可能でした。ドコモのSIMロック解除対応については、2015年4月までに発売された機種と、2015年5月以降に発売される機種でルールが異なりますので、変更点をご紹介します。

▼ドコモのSIMロック解除の変更点
項目2015年4月までに発売された機種 2015年5月以降の機種
SIMロック解除対応機種iPhone/iPad以外の機種原則として全機種
SIMロック解除対応可能日端末購入日よりロック解除可能端末購入から6カ月経過後
中古機種のSIMロック解除可能不可能
解約済機種のSIMロック解除可能解約日から3カ月以内に本人が手続した場合のみ可能
手数料(税別)3,000円Web:無料
電話&店頭:3,000円


ドコモのSIMロック解除は、2015年5月1日以降に発売される機種では「端末購入から6カ月以内はSIMロック解除ができなくなること」と、「白ロムなどのSIMロックが解除できなくなること」が従来ルール(2015年4月までに発売される機種)と比べて不便なポイントです。

従来ルールと比べた場合のメリットとしては、原則として全ての機種がSIMロック解除対応となるため、iPhoneやiPadでもSIMロック解除が可能となる可能性が高い点や、SIMロック解除手数料がインターネット経由であれば無料となる点があります。

ドコモのSIMロック解除対応は「SIMロック解除に関するガイドライン」の改正に沿った内容ではありますが、従来ルールでは可能であった最新機種を購入してSIMロックを解除して海外で使う、という使い方ができなくなる点は、頻繁に海外を訪問する方にとっては残念な変更と言えます。


<SIMロックを解除した機種を海外で利用する際の注意>

続いて、SIMロックを解除した機種を海外で利用する際の注意点をご紹介します。

SIMロックを解除した機種を海外で利用する場合、渡航先で利用する通信事業者のネットワーク側の周波数と、端末側が対応する周波数が一致している必要があります。

下の図はauの「Galaxy S6 edge」の対応周波数です。

KDDIの「Galaxy S6 edge SCV31」の対応周波数の例

auの端末については、下記リンク先より対応周波数を調べることができます。
SIMロック解除が可能なau携帯電話などの実装周波数帯一覧 | auお客さまサポート

ネットワーク側の周波数と端末側の周波数の対応については、各キャリアから発売される機種を各キャリアのネットワークで使う上ではあまり意識する必要がありませんが、SIMロックを解除して他キャリアのネットワークで使う場合には注意しなければなりません。

ネットワーク側と端末側の対応周波数は、端末側が全ての周波数をカバーしていることがベストですが、一部の周波数のみに対応している場合でも利用は可能です。その場合、全てに対応している場合と比べて利用できるネットワークのサービスエリアが狭くなったり、通信速度が遅くなることがある点には注意が必要です。

台湾の通信事業者「遠傳電信」の広告、LTEの2つの周波数をアピール

特に4G LTEに関しては地域や事業者によって異なる周波数が用いられていることが多くなっています。通信事業者毎のSIMカードの販売価格や、データ通信パッケージの料金、端末側の周波数対応などを調べるのは手間がかかりますが、「ある程度現地で使えればよい」と割り切って使う場合は、利用予定の機種が渡航先の通信事業者で利用可能かどうかのレポートを探して見るのも良いでしょう。

この連載でも、ドコモのSIMロック解除対応機種を海外の通信事業者のSIMカードで利用した際のレポートを多数掲載していますので参考にして下さい。


記事執筆者プロフィール
島田純
ブロガー/フリーライター
Twitter:@shimajiro、ブログ:shimajiro@mobiler

ブログとモバイルと旅が好きなフリーランスのブロガー/ライター。
モバイルWi-Fiルータやデータ通信関連が得意です。

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