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【せう先生のスマホ講座】第15回:「フルHD」とか「4K」とか一体何!? 画面解像度の略称を改めてチェックしよう!

GAPSISをご覧の皆さん、「せう」です。こんにちは。前回の冒頭で触れた約20万円のノートパソコン、「ThinkPad X1 Carbon」が先日届きました。今回のスマホ講座からはこのX1 Carbonからお送りします。

フルHD液晶と(W)QHD液晶が選べる「ThinkPad X1 Carbon」の2015年モデル(写真はフルHDモデル)

それはさておき、X1 Carbonにはモデルによって液晶画面の解像度が「フルHD」と「WQHD」のものがあり、選択できます。Androidスマホ・タブレットの画面の解像度もハイエンドモデルではフルHDやWQHDのものが主流で、エントリーモデルからミドルモデルあたりだと「qHD」や「HD」のものもあります。カメラ機能で撮影できる動画・静止画では「4K」なんて解像度もあります。

でも、このような画面解像度を意味する言葉、何気なく使っていますが実際はどのくらいの「解像度」なのでしょうか。今回のスマホ講座では、解像度の“略称”が意味するところをややマニアックに解説していきます。


■そもそも、「解像度」って何?

「解像度」には色々な指標がありますが、画面の縦・横の画素数の積(かけ算したもの)である「画面解像度」を指すことが多いです。ほかには、画面の1インチあたりの画素密度を示す指標(ドット/インチ[dpi]またはピクセル/インチ[ppi])もありますが、今回の説明では割愛します。

「6×6ドット(ピクセル)」の画面の模式図

画素は「ドット」または「ピクセル」という単位で表します。パソコンのOSではWindowsは前者、OS X(Macintosh)は後者で呼んでいますが、基本的に両者が意味するところは一緒です。雑誌・書籍やWebメディアでも、報道するときは基本的にどちらか一者に表記を統一しています。筆者は「ドット」派なのですが、あるWebメディアでは「ピクセル」で統一されているため、寄稿開始当初はよく直されていました(遠い目)。

話がそれそうになりましたが、解像度はパソコンやタブレットでは「横×縦」ドット(ピクセル)、スマホでは「縦×横」ドット(ピクセル)と書かれることが多いです。これには、画面を横向き(主体)で使うか、縦向き(主体)で使うかの違いが表われているのです。

ちなみに、テレビやデジタルカメラでは、一般的に積算後の値(総画素数)で解像度を表記しています。


■「解像度」の略称をチェック!

▼解像度の略称とその概要
略称正式名称 実解像度
(単位:ドット)
備考
QVGAQuarter VGA320×240VGAの4分の1(Quarter)の解像度。
VGAVideo Graphics Array640×480元々はIBMが策定したPCの画面表示規格名。後にその描画解像度を指すものとして使われるように。画素比が4:3なのは、当時のテレビの表示比に合わせたため。
WVGAWide VGA800×480VGA画面の画素を横に広げ、ワイドテレビの16:9の画素比に近付けたもの。画素のキリを良くしたため、実際は「15:9」の画面比に。
FWVGAFull Wide VGA854×480WVGA画面に対し、横方向に54ドット増やすことで、完全な16:9の画面比を実現。
SVGASuper VGA800×600元々はVGA規格の上位互換拡張規格名。SVGAでは800×600ドットが主流だったため、この解像度を指すものとして定着。
qHDquarter HD960×540後述のフルHDの4分の1(quarter)の解像度。"Quad"(4倍)と区別するため、昨今では"q"と小文字表記することが多い。
XGAeXtended Graphics Array1024×768元々はIBMの「8514/A」というパソコン画面表示規格の高解像度モードを指す。その解像度を指す言葉として定着。
HDHigh Definition1280×720高精細度(High-Definition:HD)ビデオにおける標準解像度。これ以上の解像度で制作された映像作品は「ハイビジョン」を名乗れる。「720p」とほぼ同義である。
WXGAWide XGA1280×768 XGA画面の画素を横に広げ、ワイドテレビの16:9の画素比に近付けたもの。HD解像度の画像はその解像度を保って見られる。
WXGA+Wide XGA Plus1280×800WXGAに対して縦画素を増やすことで画素数をキリ良くした。結果、画素比が「16:10」に。
FWXGAFull Wide XGA1366×768縦画素はWXGAそのままに、横画素を増やして画面比を16:9に限りなく近付けたもの。WXGA同様に、HD画像は解像度そのまま表示できる。
SXGASuper XGA1280×1024画素比4:3をキープしたまま更に高解像度化したもの。HD解像度の画像はその解像度を保って見られるが、非表示領域が若干多くなる。
HD+High Definition Plus1600×900純粋かつキリ良く画素比が16:9になっている。筆者のThinkPad T430sもこの解像度。
FHDFull HD1920×1080HDビデオにおける最高解像度。「フルハイビジョン」とも言われる。「1080p」とほぼ同義。
WUXGAWide Ulrta XGA1920×1200フルHDの縦画素を増やして画素比16:10にしたもの。
QHDQuadruple HD2560×1440HD解像度の4倍(Quadruple)の画素があるためこう呼ばれる。メーカーによってWが付いたり付かなかったりするのが不思議である(意味的には要らない)。
WQHDWide QHD
QFHDQuad Full HD3840×2160フルHD解像度の4倍の画素があることを指して"QFHD"と呼ぶ。また、横画素が約4000あることから"4K"とも呼ぶ。
4K4K

スマホ講座史上最大(?)規模の表ですが、上記が解像度の略称とその概要です。これでもかなり「割愛」した方です。

VGA、SVGA、XGAと、それが付く解像度の略称はパソコンの画面表示規格がもとになっています。一方で、HD、フルHDなどは放送規格がベースの呼称になっています。ある意味、コンピューターの世界とテレビ(放送)の世界がクロスオーバーするようになった結果なのかもしれません。

同じ縮尺で高解像度画像を表示すると、画面の解像度差が精細さの差につながる

解像度は基本的に高ければ高いほど画像をより精細に表示することができます。このことは写真や動画ではよりキレイに表示できるというメリットをもたらします。昨今のデジタルカメラやスマホのカメラは高画素化の傾向にありますが、これらのカメラモジュールのスペック上最高の画素で撮影をすると画面では表示しきれない、という問題がよく発生します。画面の解像度が上がることで、拡大・縮小せずにそのまま表示できる範囲がより広がるので便利なのです。

Windows 8.1では細かく手動スケーリングが可能

OS X Mavericksではディスプレイに応じて自動的にスケーリングするようになっている

一方、文字表示の面において、ある程度の解像度アップは文字の細かい部分まで表現しやすくなるというメリットもあるのですが、字がかえって小さくなって読みづらくなることもあるデメリットとして跳ね返ってくることもあります。パソコン・スマホ・タブレットではフォントサイズの調整やスケーリング(解像度に合わせた表示調整)機能などで文字の読みづらさ・見えづらさを緩和する工夫をしています。

ただし、フォントサイズを決め打っていたりスケーリングを想定していなかったりするソフトウェアでは表示が崩れてしまったり“ぼんやり”して見えづらくなったりもします。特にWindowsでは高解像度対応アプリと非対応アプリでの高解像度液晶における画面表示の差が激しいことが課題です。OS XやAndroidではOS(システム)側で解像度差を吸収する仕組みがより充実しているので、Windowsほどの差は出にくくなっていますが、それでも高解像度を想定していないアプリでの表示が乱れることがあります。アプリを作る側も「解像度」をより意識しないといけない時代なのかもしれません。

現在、「せう先生のスマホ講座」ではGAPSIS読者の皆さんから質問・相談を受け付けています。詳しくは、こちらのページをご覧ください!!


記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue

静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。

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