Androidニュース&アプリ情報メディア

【島田純のMobile×Travel】第36回:カンボジアでLTE対応のプリペイドSIMを使う - Smart編

今回はカンボジアの通信事業者、Smart Axiata(以下、Smart)のプリペイドSIMカードで4G LTEを利用する方法をご紹介します。

シェムリアップ空港のSIMカード売り場

カンボジアでは複数の通信事業者がサービスを提供しており、外国人でもプリペイドSIMカードを購入して、現地で音声通話やデータ通信を利用することが気軽にできるようになっていますが、2014年10月時点でカンボジアのプリペイドSIMカードでLTEが利用可能なのはSmartのみとなっています。

筆者がSmartのプリペイドSIMカードを購入したのは、アンコール遺跡群などで有名な「シェムリアップ」にあるシェムリアップ空港のSIMカード売り場です。シェムリアップ空港の国際線到着ロビーを出ると、すぐに複数の会社がプリペイドSIMカードを販売するエリアがあるので、SIMカードの販売場所で迷う心配はありませんが、多数の携帯電話会社のカウンターが並んで居るので注意しましょう。Smartのカウンターは、グリーンを基調としたカラーが目印です。

SmartのプリペイドSIMカードのラインナップの中で、4G LTEが利用可能なものは「Smart Traveler SIM」で、最低購入価格はUSD 5です。この価格にはデータ通信量3.5GB分が含まれるほか、音声通話にUSD 2の残高が残っていますので、それらは最初から使える状態です。組み合わせによっては、データ通信量は1.5GB、音声通話残高をUSD 5にすることも可能ですので、音声通話が多い場合は音声通話用の残高が多くなるプランを選択すると良いでしょう。

Traveler SIMはUSD 5から

価格と利用可能なデータ通信量

上記の画像の内容は"販売価格 = プリペイド残高 + データ通信量"で表記されています。

例えば、最も上に書かれている"$5 = $2 + 3.5GB"は、販売価格がUSD 5、音声通話にUSD 2が残ってデータ通信量は3.5GBという意味になります。

必要となるデータ通信量にあわせて購入するプランを決定すると、あとの手続はカウンターのスタッフに行って貰うことができます。

筆者の購入したSmartの「Traveler SIM」は「USD 5 SIM」として、SmartのWebサイトでもサービス内容などが紹介されていますので、こちらも参考にして下さい。

USD 5 SIM
情報元:USD 5 SIM

APN設定については特に指定が無いようで、空港カウンターのスタッフに設定をお願いしたところ、適当な内容でAPNを設定されました。その状態でも実利用には特に不便はありませんでしたが、Nexus 5にSIMカードを入れると以下のAPN内容が設定されましたので参考までに記載します。

[APN設定情報]
APN:default
ユーザ名:なし
パスワード:なし

APN設定が任意の内容で問題無いため、SIMロックを解除したドコモ端末でもテザリングの利用が可能となっていたのは朗報です。SIMロックを解除したドコモ端末をカンボジアに持っていき、Smartで使えばテザリングも利用できるわけです。

加えて、Smartは1,800MHz帯(Band 3)を使ってLTEサービスを提供しており、この周波数帯は国内では旧イー・モバイル(現ワイモバイル)のNexus 5などの機種や、ドコモが東名阪で提供する下り最大150Mbps対応端末が対応しているため、ドコモの端末をSIMロック解除して使う場合などに適しています。国内向けの機種でも、SmartのLTEに対応するものが多いので、現地で使える機種の選択肢が広くなっています。

シェムリアップ空港のターミナル内ではSmartのLTEが利用可能であり、各種設定などに不安がある場合は、その場でLTE接続が可能となっていることを確認してからターミナルを離れると良いでしょう(とは言っても特に難しい設定などは不要でしたが……)。

シェムリアップ市内でSmartのLTEが利用可能であることは、SmartのSIMカードを取り扱っているショップの店員でも知らないことがあるなど、シェムリアップのLTE事情は「まだまだこれから」という印象は否めませんが、意外にもLTEデータ通信が利用可能なエリアは広く、市内の中心部だけでなく、中心部からある程度離れているアンコールワットの入口場所でもLTEデータ通信が利用可能でした。ただし、LTE対応のSIMカードは街中のお店では販売されていないことがあるので、シェムリアップ空港での購入をオススメします。

アンコールワット付近でもLTEに繫がる

また、通信速度についてもLTE接続時は良好で、電波状態さえ良ければスピードテストで下り通信速度が20Mbpsを超えることもありました。一方で、シェムリアップ市内の中心部であっても、建物の中などは電波が弱くなったり、3G接続に切り替わることがありますので、その点については注意が必要でしょう。

環境が良ければ下り最大20Mbs超えも

SmartプリペイドSIMの残高確認、電話番号確認は以下のコマンドで操作できますので、最後にご紹介させて頂きます。

[残高確認方法など]
残高確認:*888#
電話番号確認:#887#
データ残量確認:*087*888#

シェムリアップ市内とその近郊で使った限り、エリア的に「充実している」とは決して言えないSmartのLTEでしたが、LTEに繫がれば速度は快適でなおかつSIMカードの価格も安く、日本で売られている端末も幅広く対応している1,800MHz帯(Band 3)でのサービス提供となっているため、現地で使える通信手段としてはコストパフォーマンスの高いLTE対応サービスです。


記事執筆者プロフィール
島田純
ブロガー/フリーライター
Twitter:@shimajiro、ブログ:shimajiro@mobiler

ブログとモバイルと旅が好きなフリーランスのブロガー/ライター。
モバイルWi-Fiルータやデータ通信関連が得意です。

「島田純のMobile×Travel」の他の記事はこちら
本コラムは毎月第1・第3火曜日更新予定!

読者&編集部コメント欄

この記事のコメント:0 件