IT化によって、社会はかなり効率化され、労働量は大幅に削減されたわけだが、それに伴い雇用が減り、失業者が量産されることにもなった。IT革命が仕事を楽にしてくれたのは確かだが、無くなる職も出てきてしまったわけだ。
以前は多くの人を雇用していた産業が、それほどの人がいなくても運営できるようになってきた。人類は過去にも技術の革新によって特定ジャンルの職がなくなるという事を経験しているが、そんな時でも、新しい産業が創出され雇用を生み出してきた。
今回も人々は何か新しい産業を創出できるのかもしれない。
さて、そんなGoogleだが、今までのAndroidは、アプリを動作させるプラットフォームというだけで、OS自体もしくはAndroidの基幹機能が人々の生産性の向上に役立っていたという印象はあまりなかったように思う。
しかし、僕は最近のAndroidに急速な進化を感じているのだ。
最近Googleから登場したアプリ「Google Nowランチャー」がキッカケだ。
この「Google Nowランチャー」はGoogle製のホームアプリだが、 Googleのサービスをより効果的に使えるように設計されている。コアとなる機能は2つ。「Google Now」と音声コマンドだ。
Googleの音声認識といえば、Androidには元々搭載されていて、多くのユーザーが一度は音声入力で検索したことがあるのではないかと思うが、日常多用するかと言えば、そうではなかったと思う。しかし、「Google Nowランチャー」では、ウェアラブル端末「Google Glass」やAndroid Wear採用スマートウォッチなどのように、
「OK! Google」
と喋りかけることで検索機能を起動し、音声で検索することができるようになっている。
そのため、音声入力がより身近になり、スムースに使えるようになったわけだ。
音声で検索機能を起動することができる
また、「Google Now」はこれまでのAndroidにも搭載されていた、学習し、ユーザー毎に最適化されていく情報提供機能で、パーソナルアシスタント機能などと呼ばれることもある。例えば、「Google カレンダー」に登録されている次の予定、友達の誕生日、天気、ニュースなどを提示してくれる。ユーザーが欲している、と考えられる情報を提示してくれるので、上手くマッチしてくればとても便利だ。
この「Google Nowランチャー」に搭載されているような機能は、今後のAndroidにとって非常に重要なものになっていくのではないか？ という気がする。
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| ユーザーに有用と思われる情報をカード形式で自動的に表示してくれる |
今までは単純にAndroid向けアプリを動かすためのプラットフォームに過ぎなかったAndroidが、こうした機能を備えていくことで、自らユーザーに有用な情報を提示したり、よりイージーに使えるように進化していくのではないだろうか。
このことは、自動車にもAndroidが載ることと無関係ではない気がする。自動車に搭載されるAndroidは、音声認識で操作されるケースが多いと考えられるからだ。
この「OK！Google」での音声入力での操作、そして「Google Now」は、Android Wear、すなわちウェアラブル端末でも利用可能で、今後のAndroidプラットフォーム採用機器では標準機能になってくる。GoogleはAndroidの次なるステップとして、音声入力、ユーザーごとに最適化されたコンシェルジュ的な機能を持つ進化を包括的に考えていたのだろう。
何にしても、これからAndroidが大きく進化しそうだ、という予感を感じてしまう。楽しみだ。
【情報元、参考リンク】
Google Nowランチャー
記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter：@ichijomasahjito、Facebook：masahito.ichijo、
ブログ：一条真人メモ
クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」（日本文芸社）、「PCプラスワン」（笠倉出版）などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia（あまりに美しいデザイン！）、iPhoneなど数機種使っています。
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本コラムは毎月第2・第4火曜日更新予定！
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