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【一条真人的Androidライフ】第43回:「ウエアラブル・テック・エキスポ」に見るAndroidの未来

先日、日本初の「ウエアラブル・テック・エキスポ」が開催されたので行ってきた。これはウェアラブルデバイス的な話の公演と展示という構成のイベント。展示だけではないので、なかなかに内容があった。特に欧米のメーカーの方の話は興味深い。ウエアラブル・テック・エキスポについては前回のコラム「今後のモバイル技術の最大のボトルネックとは?」でも紹介しているので、そちらもあわせて参照してほしい。

ウエアラブル・テック・エキスポ

このイベントで面白いのは、製品を作っている、あるいは作ろうとしている人たちだけでなく、ウェアラブル関連の製品を構成する基礎技術的な部分を支えるメーカーの人たちも出展者側として来ていたことだ。例えば、通信技術、防水技術などだ。

通信技術に関しては、Nordicセミコンダクターの人が来ていた。ウェアラブルデバイスにおいては、単純に高速に通信するよりも低消費電力で通信できること、そして、低コストさ、実装密度の高さなどが重要になってくる。そんな中で、通信規格としてBluetooth Low Energyに加え、Ant+が重視されているようだ。ちなみに現在のスマートフォンではBluetooth 4.0に対応する機種は多くなってきたが、Ant+に対応する機種は少ない。

スマートハウス、ヘルスケアなど手広く採用されているNordic。

Ant+はXperiaの新しい機種などが対応しているぐらいだが、今後、ウェアラブルデバイスとの連携を意識してAnt+対応機種が増えてくるのかもしれない。

また、防水技術として、従来のデバイスでは外装で防水にする場合が多かったが、最近では基板をミストでコーティングして防水化する技術が使われるようになってきている。量産レベルでこの防水技術を提供しているメーカーが「HZO」だ、HZOは依頼を受けたメーカーのラインに、自社のマシンを設置して防水処理を提供しているという。

現時点で、このHZOの技術を使って防水にしているデバイスで有名な製品は、現在発売されているナイキのヒューエルバンドの最新機種だ。ナイキはあまり表立ってHZOの技術を使っていると表明していないが、実はHZOの技術を使っているのだ。

HZOのような防水技術によって、防水デバイスを作るのはかなり楽になる。今までの一部の防水Android端末では防水のためにカバーをしてくれというようなものがあったが、それは過去のものとなるだろう。

防水化したiPhoneを沈めてみせたHZOの講演

また、スマートフォンが今後の多くのウェアラブルデバイスのデータ通信プラットフォーム的な存在となるのも間違いないだろう。以前、この連載でも言ったことがあるが、これからのAndroidは繋がることでも進化していくことになりそうだ。

スマートデバイスはウェアラブルデバイスのハブとして期待される。

記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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本コラムは毎月第2・第4火曜日更新予定!

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