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【一条真人的Androidライフ】第36回:ASUSのタブレットの行方

ソニーモバイルの「Xperia Z1」に続いて、「Xperia Z1 f」が最近リリースされた。Xperia Z1も売れたが、Xperia Z1fはミドル級でさらにコンシューマー層に売れそうなので、長く売上ランキングに居座ることになるのではないかと思う。それにしても日本国内のハイパワー端末は5インチ級、一般ユーザー向けには4.5インチ以下級が主力になっているような状況だが、最近、急速に大型ディスプレイの端末が増えつつある。

ASUS Fonepad Note 6

Xperia Z1の兄貴分的な6.5インチディスプレイを搭載した「Xperia Z Ultra」が日本国内で発売されるという噂も根強いし、ASUS(ASUSTek Computer)も「Fonepad」の6インチ版(Fonepad Note 6)をリリースした。これはやはり、「Nexus 7」のような7インチ級は常時携帯するのはつらいでしょう? でも大型ディスプレイ搭載機が欲しいでしょう? というような隙間的なマーケティングなわけだ。

以前、Xperia Z Ultraが出たとき、Nexus 7によってマーケットが形成された「7インチ」サイズに対して6.5インチはナイスなマーケティングと感じたのだが、そのさらに下の6インチに刺客(Fonepad Note 6)を送り込むのがASUSの面白いところ。まあ、Fonepadはタブレットで、Xperia Z Ultraはスマートフォンを名乗っているわけだが。

また、6インチサイズにはLGエレクトロニクスも曲面ディスプレイのスマートフォン「G Flex」を出しているので、もしかしたらこのセグメントが新たなホットゾーンになるのか? という気もするのだが、ちょっと心配なところもある。何しろASUSは8インチには「MeMo Pad 8」を出しており、なんだか7インチの前後のサイズ帯に色々とタブレットとかスマホを出している。

LG G Flex

最近は5インチ・フルHDというディスプレイには見慣れたせいか、その情報量に対してディスプレイサイズが足りないように感じてしまう。そのため、その上のサイズのタブレットなりスマートフォンが魅力的に見えてくるのも確かなのだが、ASUSはあまりにサイズ的なマーケティングがぞんざいになってきている気がしないでもない。

ある意味、スーパーヒットとなった7インチのNexus 7の前後のサイズにばら撒きマーケティングをしているようにも見えてきてしまう。新Nexus 7も初代モデルと比較すると価格が上がり、初代ほどには売れる気がしない。

Nexus 7(2013)。このタブレットの製造もASUSが担う。

こうして考えると、なんだか最近のASUSにはサムシング・ディフェレントなものを感じてしまう。スマートだと思っていたASUSが“とりあえず出してみればいいジャン”的な中華タブレットメーカーと同じようなレベルに見えてくるのは気のせいだろうか?

ノートPCにしても「ZENBOOK」シリーズの新機種にはかなりの迷走感を感じるというか、コンセプトとターゲットがピンとこない気がする。今やASUSの社内は迷走しているのだろうか? Nexus 7はマグレ当たりで、その前後のサイズに製品を出して2匹目のドジョウを狙っているのだろうか? 今後のASUSに注目したい今日この頃だ。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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